【裏設定】ポニョとそうすけはその後どうなった!?
「崖の上のポニョ」は魚のポニョと5歳の少年そうすけ、二人の真実の愛を描くラブストーリーである。
映画ではポニョとそうすけは信じて結ばれることで終結するが、まだ幼い二人には長い未来がある。
二人のその後がどう展開していくのかを監督のコメントや裏話から推測してみよう。
さらに登場人物についての詳細なども紹介したい。
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ポニョとそうすけ達のその後は?
ポニョのストーリーには状況説明や伏線のようなあらすじの道標はほとんどない。ラストも明確ではなく、物語のその後や住民たちの行方など謎が残るままに終わる。
宮崎監督は朝日新聞夕刊のインタビューにて
「小さい頃に読んだ『人魚姫』で最後、人魚姫が泡になってしまうのが納得いかなかった。そのために今回はハッピーエンドにしようと思った。しかしこれがハッピーエンドかどうかは、見る人によって違うと思う」と述べている。
うーん。結局のところハッピーエンドか否かですら、コメントを見てもよく分からない…
宮崎監督はポニョにおいて「子供の純粋な思いで結ばれる二人」を描いた。幼いそうすけが今後一生ポニョを支えて守っていくという約束の元に、ポニョは人間の女の子になることを許されるのだ。
このような一生を貫く約束を大人だったら簡単にできるだろうか?そう考えると、子供ならではの純粋な気持ちがとても神聖なものにすら思える。
小さい子供の大きな決断。それを支える大人たち。きっとそうすけはその後も約束を破らず、ポニョを守り続けるだろう。
それを私たちもそうすけのように純粋に信じたい。
そうすけの「母」が担う役割…誰をモデルにしている?
そうすけの母・リサは気丈夫なサッパリした性格である。そうすけの意見をきちんと聞き、大きな心で受け入れる母といった印象。
その反面で、ちょっとだらし無い言葉を吐いたり帰ってこない夫に拗ねたりなど、子供のような一面を垣間見せるところもある。
監督曰く、リサは「発展途上の母親」であり幼い子供を持つ若い母親をモデルに描いているとのことだ。
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ちなみに設定上ではそうすけの母は25歳、父は30歳である。また、そうすけはリサのことを「お母さん」や「ママ」でなく名前で呼んでいて、この点から二つ読み取れることがある。
まずひとつは、先述したようにリサがまだ若い母親であること。そして「そうすけには強く生きてほしい。たくましく育ってほしい」というリサの願望と信頼を表している。
母親としては発展途上ながらも、強い絆で結ばれる素晴らしい親子関係である。
「親はしっかりした大人でなければならない」と悩む人も少なくないなかで、固定概念に囚われない親子関係を彼らから学ぶことができるのではないだろうか。
そうすけはモールス信号が使える?
作中では、船長の父が船から自宅にいるそうすけ達とライトを点滅させてメッセージのやり取りをする印象的なシーンがある。
これは「モールス信号」と呼ばれる通信方法であり、5歳のそうすけが会得していることに驚いた人も多いだろう。モールス信号は遠洋航海の船舶間に用いられることが多い。
そうすけは船長帽子を大事に被ったり船の折り紙を作ったりと、父の仕事を誇りに思っている。幼い彼が使いこなせるのも、そんな父親への憧れのためであろう。
ポニョと出会ったその後のそうすけは、父のような船長を目指すのだろう。
そうすけのモデルは夏目漱石作品の登場人物!?
優しく純粋な心を持ちつつも、5歳とは思えない賢明な一面を見せるそうすけ。そうすけのモデルは夏目漱石の「三四郎」「それから」に続く、前期三部作の三作目である「門」の主人公・宗助。
宗助は「崖の下の家」に住んでいて、そうすけの家が「崖の上」なのはそこから発想を得たようだ。また、ポニョのモデルは作画監督を務めた近藤勝也の娘とのこと。
ポニョの制作当時、近藤さんの娘さんに出会った体験を元にイメージを膨らませたようだ。
監督はこの時、幼いながらにも迷惑をかえりみずに「欲しいものを欲しい」という娘さんを見て「これは女の子でなく女そのものだ!」と思ったのだ。
将来それで困るのは男の方かもしれないが…言われてみれば確かに、ポニョの奔放さは元来多くの女性が持つ性質なのかもしれない。
そうすけもそんなポニョに振り回されながらも成長するのだろう…一人一人見ていくと面白い発見がたくさんある。
このようにそうすけとポニョのその後は人物詳細からも多く読み取ることが出来る。そして、そんな二人を支えるのは周りの優しい大人なのだ。