《ガンダムの名言集》監督や人気キャラのおもしろ発言が話題に
かなりのシリーズ作品がある「ガンダム」には、それと同じくらい名言がある。
ファンの中には名言だけで会話が出来てしまう人もいるのでは…というほど。
ただあまりに多すぎるので全てを紹介するのは難しい。
そこで今回は、いくつかのコンセプトごとにガンダムの名言を集めてみた。
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ガンダムの「意味深」すぎる名言たち
ゴッドガンダムなど一部のシリーズを除いて、ガンダムは基本的に戦争をテーマにした作品だ。そのためストーリーも重厚なものが多い。
名言にもいわゆる「含み」の表現が用いられていて、聞いただけでは理解に苦しむものがある。
「冗談ではない!」
例えばこれはシャアが放った名言だ。ジャブロー攻略戦のときにシャアはズゴックに乗り、アムロのガンダムと対決する。
しかしウッディ大尉の乗るファンファンに邪魔をされ思わず口走ったものだ。ぱっと見では「邪魔するな!」と怒っているように感じられる。
多くのガンダムマニアもシャアの短気さを演出するシーンと覚えているだろう。だがこれは、ウッディ大尉の行動に驚いたとする意見もある。
と言うのも、このファンファンはモビルスーツでもモビルアーマーでもなくただの戦闘用ホバークラフトである。ガンダム世界でモビルスーツが開発される以前に使われていたものだ。
当然ズゴック相手に勝てるはずがない。それでも向かってくるウッディ大尉。
「冗談ではない!」
戦争の狂気を感じて叫んだとも考えられないだろうか。
「カミーユ!貴様は俺のぉ…!」
戦争の狂気といえば、Zガンダムのジェリドもそうだ。エゥーゴと敵対するティターンズ所属のジェリド・メサ中尉。
前半までカミーユのライバル的な立ち位置だった彼も、最後は搭乗機のバウンド・ドックの中で亡くなる。この名言はその瞬間に叫んだものである。
爆発に巻き込まれたため言葉が途中で切れている。実はこれ、ガンダムの総監督・富野由悠季氏によれば「全てを奪った」と続くはずだった。
戦闘の師匠ライラ・ミラ・ライラ。親友のカクリコン。最愛の人だったマウアー。
「守るって言ったろう?」
これはマウアーがジェリドをかばって散っていったときの名言。彼が心を許した人は全てカミーユによって倒されたのだ。
ジェリドは気が狂うほど恨みを持っていただろう。そんな彼も最後は倒されてしまった。名言からはそんな悲しみが見えてくる。
ちなみにガンダムSEEDのクロト・ブエルも「僕は…僕はね…」と、似たような名言を残して倒れている。これも本来なら「自由が欲しかったんだ」と続いていたようだ。
「それ見たことか!付け焼刃になにができる!」
ギャンに乗ったマ・クベが倒されたとき、近くにいたシャアが放った名言だ。仲間がやられたというのに結構な言い分である。
しかも「付け焼き刃」とは、にわかじこみの知識やその場しのぎの物に対して使われる言葉だ。なぜあの場所で?
こう疑問に感じたガンダムファンも多いはず。これはかなり単純だ。
そもそもマ・クベは、軍人と言ってもデスクワークを主な仕事としていた人物。最新のモビルスーツに乗ったとしても操縦技術はまるでない。
様々な戦いを経験してきたガンダムに勝てるはずがなかったのだ。まさに付け焼き刃である。
ちなみにこの場面では「あの壺をキシリア様に届けてくれよ!あれはいいものだ!」というマ・クベ自身の名言も生まれている。
他にも「美しいものが嫌いな人がいるのか?」「ララァは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」
など、ガンダムには様々な難解名言がある。
戦争を描く一方で、ニュータイプというスピリチュアルな世界観もガンダムの特徴だ。また監督の富野由悠季氏もかなり個性的な人らしいので、全てを読み解くのはハッキリ言って無謀である。
「Don’t think, feel(考えるな感じろ)」
ブルース・リーの名言だが、つまりそういうことである。
いろんな意味で有名なガンダムの名言集
ガンダムが持つ数多くの名言には、たまに「迷言じゃないの?」と思えるモノも紛れている。これは特にファーストやZに多い。
たとえば、最も有名なのがこれだろう。
「親父にもぶたれたことないのに!」
ガンダムでの出撃を拒否したアムロをブライト艦長が戒めるシーンだ。駄々をこねるアムロにブライトは2度、平手打ちをかましている。
アムロは幼いころから父親のテム・レイに育てられた。しかし、そのテム・レイも軍部の技術者として多忙な日々を送っていた。
つまりアムロはまともな教育を受けてこなかったのだ。かわりに欲しいものは何でも与えられたので甘やかされて育った。
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もちろんブライトや父親のテムと違って、アムロ自身は民間人だ。ガンダムに乗って戦場へ出ろという方が酷な話である。
だがそんな甘えの許される世界ではない。と言うことを、この名言は語っているのだが…
「殴ったね!しかも2度も殴った!」
やはり情けない印象の方が強いか。
「汚名挽回ってね!」
この言葉にピンと来なかった人は辞書を引いたほうがいい。調べてみるとわかるが、汚名は返上で挽回は名誉にかかる。
だがこの間違いがガンダムで平然と使われた。失敗をしたジェリドが「汚名返上」のチャンスを与えられたときに口にしたのだ。
またこの時、強調するようにバスク大佐がこう続けている。
「汚名挽回?その言葉は実績を見せた者がいうことだ」
単純なミスではないことが明らかになった決定的なシーンである。このことが一時期ネットなどで大きな話題となった。
ちなみに最近の語学研究によると、どうやら汚名挽回でも間違いではないと言う。「汚名を受けたので挽回する」、このような捉え方なら問題はないようで「疲労回復」と同じ用法だ。
ジェリドはそこまで知っている知識人か、ただの偶然なのか。判断の難しいところである。
「なぜそうも簡単に人が殺せるんだよ!死んでしまえ!」
これはZガンダムの主人公カミーユの名言。ガンダムファンの間でカミーユは「最強のニュータイプ」と言われて特別視されている。
しかし一方で「ガンダム史上、最もブッ飛んだ主人公」としても知られているのだ。この名言も前半と後半で言っていることが逆転している。
なんともカミーユの情緒不安定さを表現した名言ではないか?彼は他にも、数多くの過激な名言を残している。
気になったら調べてみるのも良いだろう。だが彼以上にブッ飛んでいるのは、やはりガンダム00の主人公「刹那・F・セイエイ」ではないだろうか。
彼の名言というより決まり文句は「俺がガンダムだ!」。
もはや意味がわからない。
ガンダム史上、最も有名な2大演説
名言とは違うが、こちらも紹介しておきたい。ガンダムには多くの演説が登場する。
これらは兵士の士気を高めるために必要であり、また政治的な重要性もあるだろう。
とにかく各ガンダムシリーズに少なくとも1度は演説シーンが存在する。その中でも特に有名な「2つの演説」がある。
1つ目はZガンダムでのダカール演説。クワトロ・バジーナことシャア・アズナブルが行ったものだ。
ティターンズの悪事を世界に知らせるためのもので、作中では阻止するティターンズと死守するエゥーゴが会場付近で戦闘を繰り広げる。クワトロはその戦闘すら演説の一部として利用した。
しかしアニメ版では、セリフの所々が戦闘シーンになるたびにカットされている。ネットで調べれば全文掲載しているサイトもあるので是非。
名言オンパレードなのできっと興奮間違いなしだ。もう1つはご存知ギレンの演説だが、これはジオン公国の実質的なトップに立つ彼が弟、ガルマ・ザビの国葬にて行ったものだ。
「我々の愛したガルマ・ザビは死んだ!なぜだ!」
「あえて言おう!カスであると!」
「ジーク・ジオン!」
ダカール以上に名言のオンパレードである。ちなみにこのギレンの演説、あるいはガルマ国葬とも呼ばれるもの。
2009年に行われたガンダムEXPOというイベントで完全再現された。しかもアニメではない。
当時の声優がステージライブに勢揃いして実写版での完全再現となった。ギレンの声優・銀河万丈氏による名言の朗読はかなりの圧巻。
この映像は動画サイトなどにもアップされている。ガンダムファンでなくとも唸る名演技だ。
ガンダムの生みの親・富野由悠季のド名言たち!
アニメは監督の才能1つで面白くもつまらなくもなる。特にガンダムはオリジナル作品だ。
よほどの才能がなければこれ程の名作は作れなかっただろう。監督・富野由悠季氏はそれだけの偉人である。
また、ものスゴい個性的な人としても有名で、彼自身も数々の名言を残している。たとえばアニメ制作を目指している人たちに向かって放った名言がこちら。
「アニメなんか見るな!」
身も蓋もないセリフである。だがこれにはちゃんとした理由がある。
富野氏は文学や映画など、様々なメディアからアニメ制作に必要な技術を学べと言ったのだ。そうすることで奥深い作品が作れる。これが彼のモットーである。
しかしこの富野氏、深い考えがあるのは分かるが時折やりすぎる。以下はレッドゾーンすれすれの名言たちだ。
「才能ある仲間を作り、そして潰せ、踏み台にしろ」
「アニメ監督になれなかったら犯罪者になっていたかもしれない」
「今ではガンダムというとシードやデスティニーですからね。非常にムカついてます」
彼がアウトローな名言を残すたび、ネット上では「また始まった」という声が聞ける。だが普段から変なことばかり言っている訳ではない。
例えばスタジオジブリの宮駿氏がアカデミー賞を取ったときには「誤解を恐れず言えば黒澤明以上だ」と、素直に賛辞を送っている。ちゃんとまともな時もあるのだ。
このまともな時とそうでない時がそれぞれ作品にも反映されていて、ZZガンダムの前半などかなりコメディタッチな展開だ。
しかし、その前シリーズであるZガンダムはドロドロとしたシーンが多い。ガンダムファンの間ではこの富野氏の温度差は結構有名なのだ。
慣れたファンになると、おとなしい時は「白富野」、狂っているときは「黒富野」と称したりする。名言だけでなく彼の「富野節」もガンダムが魅力的な理由の1つだろう。
ただカッコイイことを言えば名言が生まれるものではない。キャラクターの人となりや舞台背景も重要なファクターとなる。
ガンダムは激動の世界を描いた作品で、だからこそ次々と名言が生まれるのだ。新シリーズが出るたびに名言への期待も高まるというものである。