もはや何漫画!?トリコの「捕獲レベル」がものスゴいことに…
古くは「美味しんぼ」や「ミスター味っ子」。最近では「銀の匙」や「食戟のソーマ」など、時代をこえてグルメ漫画は愛されている。
そんなグルメジャンルの漫画に革命を起こしたのが、今回紹介する「トリコ」である。トリコでは獲物を「捕獲レベル」ごとに振り分けて、その強さや美味さあるいはレア度を計る。
その捕獲レベルが今、トリコの中で大変なことになっていると話題だ。
そもそもトリコの「捕獲レベル」って何?
トリコが他のグルメ漫画と違う点は食材を「己の手」で調達することにある。その食材が珍味と知ればトリコは植物から猛獣まで肉体一つで取りに向かうのだ。
そしてこの食材の強さを表したのが、捕獲レベルである。これはトリコ世界に登場する国際グルメ機構「IGO」が定めた基準だ。
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「猟銃を持ったプロハンターが10人がかりで捕まえられる度合い」
これがなんと捕獲レベル1である。基本的には全ての獲物にこの捕獲レベルが適用される。
しかし未知の猛獣やあまりに強すぎる敵は「測定不能」としてこの限りではない。また、捕獲レベル1の基準はあくまで目安とされる。
だから例えば、捕獲レベル2だとプロハンター20人で倒せるかというとそうではない。実際に捕獲レベル9のトロルコングに戦車が太刀打ち出来なかったシーンがある。
数値が上がるにつれて強さも跳ね上がって行くのだ。
トリコで捕獲レベルの「インフレ化」が止まらないと話題に…
前述したトロルコング。これは初期トリコでは「最強のゴリラ」と呼ばれていた。
つまり、ゴリラとかコングとか呼ばれる者の中ではトップの実力と言われていた。しかしトリコの物語が進むとおかしな現象が起こる。
トリコの115話に登場したスケイルコング、この獲物は捕獲レベル22だ。更に、118話に出てきたヴァンパイアコングも同程度。アニメ版では30になっている。
既に最強ではなくなったトロルコング。しかし、最強の世代交代はこれだけに留まらなかった。
297話に初登場したジャリラの捕獲レベルは688、同じ回に登場したゴリタウルスに至っては1405と大台に乗っている。ちなみに類人猿最強はいまのところ猿王バンビーノの捕獲レベル6000である。
最強ってなんだったろうか?思わず疑いたくなるほどの違いだ。
しかし類人猿に限らずトリコの世界は捕獲レベルのインフレ化が止まらない。
「一龍と三虎が戦ったあたりからおかしくなった」
ネット上ではこんな声も多く聞かれる。確かにこの出来ごとを前後して捕獲レベルの数値がおかしくなったように思う。
現在では捕獲レベル1000台の獲物が普通だ。もちろんトリコ自身の強さも同じように上がっている。
初期トリコでは捕獲レベル1桁の相手に苦戦していたが、最近では1000台でも数字の低いものは雑魚扱い。3000とか4000になってようやく「おっ」と見向きしてもらえる感じだ。
これは読者も同じで、数値が高くないと期待値も低い様である。むしろこうした理由から捕獲レベルのインフレが止まらないのでは…
というのがネット上の大方の見方である。捕獲レベルとは言うなれば、戦闘力を数値化したもの。
「鳥山明やゆでたまごが身を持ってNGだと証明した」
と称されるほど扱いの難しいものである。ある意味で漫画界のタブーだ。
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現在、トリコの中で最強の捕獲レベルは馬王ヘラクレスの6200とされる。アカシアのフルコースに選ばれているエアも同じ数値で同率一位だ。
が、このままトリコ世界のインフレが止まらなければ、彼らの捕獲レベルが抜かれるのも時間の問題かもしれない。さらにグルメ界には捕獲レベルを変えられる獲物も数多く存在する。
彼らは戦闘中、一時的に強さを上げることが出来る。
「このフリーザは変身をするたびにパワーがはるかに増す。その変身をあと2回もオレは残している。その意味がわかるな?」
これはドラゴンボールの名言だが、まさにこんな感じだ。
捕獲レベル=「フルコースの価値」ではない
さて、捕獲レベルのインフレ化によってある問題が出てくる。それは整合性が取れないことだ。
つじつまがあわないとも言う。(これもドラゴンボールを例にすれば分かりやすい)様々な料理人があげたフルコースの捕獲レベルが前半のものほど低すぎるというのだ。
ちなみにフルコースとは、その料理人が生涯をかけて探し当てた食材をレシピに使った「コース料理」のこと。この食材を見つけることが各料理人にとって人生最大のテーマなのだ。
物語序盤でトリコと再会したココは、完全なるドヤ顔で残り3つまで揃ったことを自慢する。…だが、良く見るとこのフルコース、最大の捕獲レベルでもドムロムの実の30である。
今見るとドヤ顔が返って痛々しい。しかしこの矛盾とも思える現象を、トリコ内のキャラクター・ユダがズバッと解決した。
話題となったのはトリコ334話「1ミリのユダ!」でのこと。料理対決をするこの回。
ユダはフルコースのメニューに「漢方樹の樹液スープ」や「医食牛の煮込み」などかなり捕獲レベルの低い料理を出してきた。メインディッシュに至っては「つよき亀の願い」、捕獲レベルはなんとゼロである。
しかし対戦相手が笑う中、ユダはさらっと名言を切り出すのだ。
「人のフルコースに優劣などない。みな最高の献立なのだ」
そして思い出が詰まった料理であることを説明する。トリコを読むにあたって勘違いしている読者も多い。
捕獲レベルはあくまでターゲットの強さであって、「味の良し悪し」とは一切関係がない。だからフルコースのメニューに弱い敵ばかり並んでいても恥じることはないのだ!
メタ的なことを言えば、パワーインフレで起きた矛盾を解消するためのエピソードだろう。それにしても感動回だったので、ネットでもこの話はかなり好評だった。
ただやっぱり、ココのドヤ顔はムカつく。捕獲レベルの「インフレ問題」における矛盾も解消されたトリコ。
「このまま行けるところまで行ってほしい」
こんな意見もちらほらと聞かれる。やはりトリコはそのうち超サイヤ人化するのだろうか?
今後の展開に色々な意味で期待大だ。