【桃太郎の怖い都市伝説】実は全然違う物語だった
古くより日本で語り継がれている桃太郎。
今では絵本はもちろんご当地名物にもなっていて、様々な形で親しまれている。
しかし意外にも知られていない事実や都市伝説が多い。その詳細を紹介しよう。
桃太郎は桃から生まれていない
桃太郎の誕生エピソードは、「どんぶらこどんぶらこ」と川から流れてきた桃をパカンと切ったら出てきたというのが一般的だ。しかし、そんな桃太郎の概念を覆す都市伝説があがっているのだ。
なんと初期に語り継がれていた桃太郎は「桃から生まれてはいない」とのこと。桃太郎の発祥時期は諸説あるものの、室町時代以前だといわれている。
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その内容の主流は、明治初期までは「川から流れた桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんの間に生まれたのが桃太郎」という設定だった。昔は桃が大変貴重な食べ物で、不老長寿の効果があるといわれた由縁のようだ。
今の話に変わったのは1887年に国定教科書に採用されたことがきっかけである。当時の内容で語り継がれていた頃、「どうして若返ったら桃太郎が生まれるの?」と子供達の返答に困る大人が続出した。
まだ何も知らない純粋な子供達には「コウノトリが運んできた」などと言いたいところだが、「若くなったら子供が出来た」ことに焦点を当てられると大人が口ごもってしまうのも分かる。この理由により今のストーリーに変更されたのだ。
ちなみに桃太郎誕生には「川から若い娘が流れてきて老夫婦が迎え入れたところ、娘が桃太郎を生んだ」や「赤と白の二つの箱が流れてきて赤を選んだら桃太郎が…」など様々な始まり方がある。
冷静に考えると箱はまだしも、娘の漂流説まであったとは破天荒な設定である。とは言え、都市伝説のように子供達への説明に頭を抱える「大人の悩み」だけは不変ということだ。
桃太郎が連れた「三匹の動物」の悲しい都市伝説
ご存じの通り、桃太郎は島に向かうまでに「イヌ」「サル」「キジ」の三匹の動物を仲間にする。しかし一体なぜ、この三匹を仲間にしたのか疑問に思ったことはないだろうか?
鬼退治に行くには少々頼りなさそうなメンバーであるが、これには深い理由と悲惨な都市伝説が存在する。
昔の日本では貧しい地域に生まれた子供は育てる環境がないために、生まれてすぐ川に流して処分してしまう「間引き」という風習があった。川から流れてきた桃太郎はそんな間引きされた子供を表しているのだ。
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また、仲間にされた動物には「サル(去る)」「イヌ(居ぬ)」「キジ(帰じ)」と間引きされた子供を指す意味が隠されている。彼らを連れることで少しでも間引きされた尊い命を成仏させようとしたといわれている。
一方、もう一つ説があがっている。鬼は牛の角、虎の皮をまとっているために不吉である鬼門は干支で言う「丑寅」の方位になる。これにより裏鬼門は桃太郎とされ、そこを起点に時計回りの干支がサル・トリ・イヌだったという話だ。
後者が有力説といわれているために、前者の都市伝説はあまり知られていない。しかし前者は過去の事実を知るきっかけとなる重要な都市伝説である。
昔の桃太郎は悲劇の結末…
桃太郎の話は鬼を退治し、奪われた財宝を取り戻してハッピーエンドになることで知られている。しかし物語はそこで終わっていなかったのだ…
その内容は1779年に書かれた「桃太郎元服姿」に綴られている。「鬼達が財宝を取り返すために桃太郎の元に刺客として娘を送ったものの、娘は桃太郎に惚れ込んでしまい使命と恋心に苛まれ自害する」という悲しい話があるのだ。
少しテイストは違うものの、日本版・人魚姫のようだ。また有名な小説家の尾崎紅葉が書いた「鬼桃太郎」では龍とともに海に落ちてしまうという終わり方をしている。
そもそも「桃太郎」は歴史とともに長い間語り継がれてきただけに、その終わり方は伝え方によって様々だ。つまり多くの作品と同じように物語の続編は読み手側が自由に想像して良いのだ。
上記の二つに納得がいかない場合、自分で続編を考えてしまうのもアリである。有名な桃太郎であっても都市伝説には恐ろしい内容や子供向けでないものが多かった。
誰にでも親しまれる内容という意味で、桃太郎に限らず今後も改変される童話があるのかもしれない。