ウソ、ホント!?富士山の樹海にまつわる都市伝説を暴露
「富士山の樹海」と聞くと、それだけで重々しい雰囲気になるものだ。
やはり多くの人がそう感じるのか…富士山の樹海にはそんな恐怖心が生み出した色々なジャンルの都市伝説が存在する。
今回はそのうちのいくつかを紹介していこう。
富士山の樹海で「方位磁石が狂う」は都市伝説?
富士山の樹海とは、正確には「青木ヶ原」あるいは「青木ヶ原樹海」と呼ばれる森林地帯のことを指す。
この樹海に足を踏み入れるとコンパスや方位磁石が狂ってまともな方角を示さず、デジタル時計などの電子機器も故障して使えなくなる…
といった都市伝説を、日本人なら誰でも一度は聞いたことがあるだろう。理由として富士山の樹海の土壌は鉄分が豊富なため、地場が狂いやすい。
さらに、樹海に多く生えているアカマツなどの木々が鉄分や磁気を発生させているらしい。
そのため遊び半分で樹海探索を始めたはいいものの、コンパスが狂ってしまい気付けば自分がどこにいるかもわからず延々と富士山のふもとをさまよい歩く。最悪の場合、そのまま樹海から脱出できず野垂れ死んでしまう…
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実際にありえそうで怖い話だが、近年この都市伝説は単なる噂であると囁かれ始めている。確かに富士山の樹海は、強い磁力を持つことでも知られる「火成岩」が地表を覆っている。
だが、この磁力は方位磁石やコンパスに悪影響を及ぼすものではない。そしてプラムなど、鉄分を多く含むとされる木々はあるが、樹海に生えているアカマツなどは電子機器を狂わすほどではないとのこと。
また、実際に都市伝説を検証した動画やサイトなどがネット上には存在するが、どれも「コンパスは狂う」説を否定している。要するに「富士山の樹海で迷う」という都市伝説は、デマとの見方が一般的になりつつある。
だが一方で、コンパスなどが正常に機能しない場所が富士山の樹海にあったとする。その場所に足を踏み入れた人たちは決して逃れられない無限迷宮のなかで倒れてしまう。
だから「都市伝説は本当だった!」などと証言しようがないのだ。恐らく局地的にではあるが、都市伝説の通り、もしかすると富士山の周辺には人間を迷い殺すスポットが存在するのかもしれない。
それでなくても富士山の樹海は「自殺の名所」とも言われ、都市伝説にとどまらずホラーやオカルトなどの心霊現象でも賑やかな場所である。
樹海に潜むそんな幽霊たちがスピリチュアルパワーで磁場を狂わせているという噂まで存在する。…というと話がコンパス以上に狂って来そうなので、この辺りにしておきたい。
ともかく樹海は「遊び半分」で足を踏み入れていいような場所ではないということだ。
樹海の中に謎の集落!?富士山のふもとに存在した都市伝説の村!
自殺者が多い事で有名な「青木ヶ原樹海」。この噂をたよりに、都心部から毎年多くのアレな人たちが手にロープを持ってやって来る…
しかし中にはその場でためらう人もいて、未遂のまま帰還して人生をやり直すというパターンも多いようだ。
そして都市伝説によると、そうして自ら命を絶つことを諦めた人間が富士山のふもとで、人知れず生活するために作った村があるという。
元の生活に戻ることすら厳しい人たちが、樹海の一部を切り開いて文字通り「開拓者生活」を送っているというのだ。
この都市伝説が噂されるようになったのは2000年代の末頃から。グーグル先生の地図を見ていたある人が富士山の樹海近くで周囲から孤立した村を発見したことが由来だ。
あたりを森林に囲まれたその集落は、綺麗なまでの長方形に区画整理されている。またマップ上では外部に繋がる道もないように見えるため、不自然なほど「浮いて」見えるのだ。
「富士山の樹海近く」という土地柄も加わり、あまりにも不気味なこの集落の噂。一気にネット上に拡散され、気付けば「自殺者の村」などと呼ばれる都市伝説と化していた。
「後ろめたい過去」があるからこそ、人目につかずこっそりと暮らしていたのに…現代社会というやつはそんな人間まで明るみに出してしまうのか?
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現代科学は樹海の中の闇さえ暴いてしまうのか!と熱弁を振るいたくなるが、この都市伝説にはウラがあった。
実はこの集落。実際は「自殺者の村」なんかではなく、精進湖からほど近いただの民宿街なのだ。
「精進湖」といえば、言わずと知れた富士山にある五大湖の1つ。特に夏場は釣り人やリゾート目的の客が増える観光地だ。
問題の集落にはこうした観光客向けに作られた旅館などの宿泊施設が建ち並んでいる。
またパッと見だと、一切外部とは繫がっていないように見える。が、実は一本だけ近くの国道から延びる道があって、目的があるかどうかは別として出入り自体は自由なのだ。
え?「じゃあ自殺者の村は?」って、そんなものあるはずがない。
一応、富士山の樹海には無数の洞穴が存在する。もしかしたらそこをねぐらにしている人たちがいないとも限らないが…
そんな人間が本当にいるなら「富士山にも存在したビッグフット!」のような、別の都市伝説が生まれている気もする。
いや、実はすでにある一部の地域ではそんな都市伝説が噂されているのかも…?
幻の「富士山ディズニーランド」!実は樹海が候補地だった!?
東京ディズニーランドと言えば、USJと並んで日本の二大遊園地として有名だ。実は今の場所に作られる以前は、富士山の樹海も建設候補地として予定されていたという都市伝説がある。
日本のディズニーランドは開業が1983年なのでかなり昔の話になるが、実は当時「ディズニーランドをどこに建てるか」という争いが、とある企業間で密かに行われていた。
都市伝説によると、この対立企業が富士山の樹海付近を候補にしていたというのだ。また企画書には「樹海の木々を大量に伐採する」という計画も記されていたなど…
ただの都市伝説とは思えない、やけにリアリティのあるエピソードまで盛り込まれている。
結果的に建設地は現在の「千葉県浦安市」に決まったが、場合によっては「富士山ディズニーランド」という名称もあり得なくはなかったのだ。
晴れた日はディズニーリゾートから富士山が見えることがあるが、これは当時の相手企業に気をつかってのことという都市伝説まで存在する。
ちなみに都市伝説では富士山側は、日本の顔とも言える富士山とディズニーランドを組み合わせることで莫大な集客効果を発揮すると目論んでいたらしい。
しかしディズニー側が「客層が違うから相乗効果は期待できない」と判断したため、候補地から外されてしまったと説明している。
ただ樹海かどうかはともかくとして、富士山の近くにはすでに1968年から開業していた「富士急ハイランド」がある。
どう考えても客層がかぶっていたことは否めないし、ともすれば富士山のふもとで2つの遊園地が潰し合いをするドロドロの惨劇に発展していたかもしれない。
また「東京ディズニーランド」は日本の首都名が入っているからこそ価値があるのであって、仮に「静岡ディズニー」とか「山梨ディズニー」などになったらネームバリューという点から見ても微妙だ。
さらにいうと、富士山は2013年に「世界遺産」として公式に認められた。仮に都市伝説が本当であり、実際に樹海を切り開いて遊園地を開園していたらユネスコ側も多分認めてくれなかっただろう。
結局のところ、現在の場所で大正解だったのだ。まあ結果論にはなるが。
ちなみに厳密に言えば、日本語に「樹海」という単語は存在しない。これは富士山のふもとに広がる森林地帯…つまり青木ヶ原全体を指す「俗語」が一般化したものだ。
広範囲にまたがる森林を海に見立てた日本人らしい感性だが、それほどの広さなのだから都市伝説の多さにも納得である。