誰かに話したくなる!鉄道にまつわるトリビア
「鉄道大国」とも呼ばれる日本。
そのため日本人の多くは鉄道好きで知られている。たまの連休に電車を使った長旅に憧れる人も多いだろう。
ここでは、そんな長旅の際に披露すると喜ばれるとっておきの鉄道トリビアたちを紹介しよう。
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ここがポイント!
サスペンス系トリビア!鉄道を通る電車の音だけで居場所を特定できる!?
電車が鉄道の上を走るとき、よく「ガタンガタン」と音を鳴らしながら走る。誰でも一度くらいは聞いたことがあるだろう。あれは鉄道レールの継ぎ目を車輪が越えた時の音である。
ところが鉄道オタクに言わせると、この時に発する音は電車によって変わってくるというのだ。
簡単に説明すると、ある路線では「ガタンガタン」なのに別の路線では「ガッタンガッタン」だったりするということ。
なぜこんな違いが起こるのかというと、鉄道会社あるいは運行車両の型式によって車輪の位置が異なるためだ。
また当然ながら車両編成の数によって聞こえてくる「ガタンガタン」という音の回数も違う。
なので、その道を極めた鉄道オタクなら車体の通過音を聞いただけで「○○線の○○車」とピッタリ当ててしまうという。
もちろんトリビアを知ったからといって、実際にそのレベルまで到達するには相当な年月と努力が必要だろうが…
しかし実際にとあるバラエティ番組で「日本のどこかに閉じ込められた芸人」を一般人が探しだすという企画が行われ、このトリビアがトリックとして使われたことがある。
残念ながらこの企画は別の理由から中止になり、結局このトリビアが使われることはなかった。
が…こうした創作物のネタとしては何かと使い勝手のよさそうなトリビアではないだろうか!?
よくサスペンスドラマでは鉄道のダイヤを使ったいわゆる「時刻表トリック」が用いられるが、こんな感じで「鉄道レールのトリビア的トリック」が推理ネタになっても面白いかもしれない。
どうだろう、興味があればぜひこのトリビアで推理小説を書いてみては。
「雷鳥」と「サンダーバード」は別物!?鉄道会社のちょっと恥ずかしいトリビア
大阪から出発して福井・石川、終点の富山を含め、近畿と北陸を行き交う特急列車サンダーバード。
北陸新幹線が開通して関東圏からも金沢まで旅行しやすくなったが、鉄道オタクの間ではここから特急「サンダーバード」に乗って大阪まで足を伸ばしたのち、東海道から帰るというのがちょっとしたセレブな嗜みとなっているようだ。
この特急「サンダーバード」は上りには大阪を始発として終点の和倉温泉まで行く、近畿と北陸をつなぐ唯一の特急列車である。
ちなみに2015年ごろまではちゃんと富山駅にも鉄道が走っており、本当に北陸全県を運行していた(新幹線開通により縮小)。
ところでこのサンダーバード、ある列車のグレードアップ版なのだが、その前身となる列車の名前が「雷鳥」であった。
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これは富山の県鳥であるライチョウから取られたもので、鉄道オタクにしてみたらトリビアでもなんでもない常識中の常識だろう。
また、富山と隣り合う岐阜と長野の県鳥も同じくライチョウ…つまり3県そろって県鳥が同じというトリビアもあるが、これもひょっとしたら当たり前のことかもしれない。
ではサンダーバードにまつわる何がトリビアなのか!?ということだが…実は旧特急名「雷鳥」の英語名は「サンダーバード」…ではない!
ふつう「雷の鳥」だから直訳して「Thunder Bird(=サンダーバード)」と思うだろうが、実は「雷鳥」を英語に訳すと「ターミガン(Ptarmigan)」または「グラウス(Grouse)」となる。
「じゃあサンダーバードってなんなのさ!?」
と言うと、これはネイティブアメリカンの民話で語られる伝説上の鳥の名前であり、言うなればフェニックスのようなもの。
つまり「雷鳥」と「サンダーバード」は全く関係がない!というトリビアである。所有する鉄道会社としては「あくまで雷鳥の進化系」という意味合いで名付けたのだろうが、とんでもない!
全く無関係の鳥になってしまった。わかりやすくポケモンで例えるなら「おや?ピジョンのようすが…」となったので放置しておいたら、なぜかピジョットではなくホウオウに進化してしまった!
といった感じだろうか。それはそれで大変ありがたいのかもしれないが。
ともかく名前を変えるときにはちゃんと調べた方がいい!というトホホな鉄道会社にまつわるトリビアであった。
とは言え、正式な英語名の「ターミガン」や「グラウス」ではあまり日本人に聞き馴染みがないので、もしかすると全て鉄道会社の策略なのかもしれない?
文学作品「雪国」に登場する鉄道名が話題に!
日本の近代文学を代表する小説「雪国」。これは作者の川端康成(写真)がノーベル文学賞を取ったことで有名な名作中の名作だ。
さて、この作品の冒頭が列車内から始まることは鉄道オタクならずともご存知だろう。有名な出だし「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」である。
ちなみに、この文中の「国境」。
これは「こっきょう」と「くにざかい」どちらの読みが正しいかという議題が文学会ではたびたび問題になるというトリビアもあるが、今回はもちろんこのトリビアについて掘り下げるのではない。
今回紹介したいのは「雪国」の冒頭で走っているこの鉄道が「どこの路線か知っているか?」ということである。
小説の舞台が新潟ということから鉄道ファンならある程度の推理がつくだろうが、きっと多くの人は曖昧な答えになるだろう。
実は作中の「国境のトンネル」とは、舞台である新潟県の越後湯沢と群馬の間にあるトンネルを指し、東京を出発した列車が群馬・新潟間の鉄道上を走っている状況を説明しているのだ。
このトンネルも現実に存在するもので「清水トンネル」と名前まで判明している。そしてこの「清水トンネル」を通る路線こそ、今回の鉄道トリビアで知ってもらいたい「JR上越線」なのである。
現在では新幹線用に新たなトンネルも作られているが、在来線であるJR上越線は今でも「雪国」の舞台となった「清水トンネル」側の鉄道に電車を走らせている。
昭和6年に開通したトンネルというだけあって、中は黒炭の汚れがついた古めかしいレンガ造りの内装だが、それだけに歴史を感じられる雰囲気となっている。
越後湯沢といえば、現在でも温泉街や冬のリゾート地として有名な場所である。このトリビアを元に「聖地巡礼」よろしく旅に出かけてみるのも面白いのではないだろうか。
もちろん手には「雪国」を持って。
引っ掛け系のトリビアも…「鉄道」がない県ってドコ?
古い年代の人ほど騙される問題があって、それは「日本で鉄道の走っていない県はどこ?」というクエスチョン。多くの人は「沖縄!」と答えるだろうが、実は不正解。
沖縄にも2003年ごろに「沖縄都市モノレール」通称「ゆいレール」が開通したため、鉄道は通っているのだ。
そもそも広い意味で鉄道と言えば沖縄には戦前からトロッコ用の鉄道レールが敷かれていたため、ゆいレールのあるなしに関わらず元から鉄道は走っていた。
つまり「日本で鉄道の走っていない県は?」と質問されたら「ない」と答えるのが正解、というちょっと意地悪なトリビア。
しかしこの問題には、質問の内容を「鉄道」から「電車」に変更することで正解の中身も変わってしまうという、変化球的なトリビアも存在する。
つまり「日本で電車の走っていない県は?」と聞くのである。すると多くの人は、やはり「ない!」と答えるだろうが…なんとこれも不正解。
正解は意外にも徳島県。もちろん徳島県にはその名も「徳島線」という鉄道路線が通っており、列車だって立派に運行している。
ところがこの徳島を走る列車はガソリンなどのエネルギーを利用して走る「ディーゼル車」であり日本語に訳すと「気動車」となる。
日本人の感覚として「電車」といえば「鉄道の上を走る乗り物」の総称、もしくは列車の代名詞と思いがちだ。しかし厳密には、電気をエネルギーとして鉄道を走る乗り物のことである。
そうした正式な意味で考えると「日本で唯一電車の運行がない県」は「徳島県」となるのだ。単なる言葉遊びという感もあるが…
鉄道ファンからすると、この言葉の違いはトリビアと言うよりほとんど常識のようなものらしいのでくれぐれも注意しなければならない。
もちろん鉄道ファン以外には、普通のトリビアといって差し支えはないだろう。いわゆる「ひっかけ問題」として友達を騙してやってはどうだろう?
そういえば北海道新幹線が開通したことで注目を浴びている青函トンネルだが、これは鉄道の海底トンネルでは世界一の長さを誇るというトリビアも存在する。
全長はなんと53.85キロ。フルマラソンのコースより長いのだ。こうしたトリビアを知れば知るほど、日本人の鉄道に対する情熱や熱意を感じる気がしてならない。