知ると眠れなくなる…!アメリカ発祥のこわ〜い都市伝説4選
「都市伝説」といえば日本に限ったことと思われがちだが、そもそもこのワードは英語の「Urban legend」を和訳したものである。
言うなれば海外こそ本場!特にアメリカこそ都市伝説国家であると言っても過言ではないかもしれない。
そんなわけで今回は、アメリカにまつわる都市伝説をいくつか紹介したいと思う。
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ここがポイント!
アメリカが生んだ近代の都市伝説「スレンダーマン」の謎
体長は大きいもので3メートル、基本的に細長くガリガリ体型。顔はのっぺらぼう説が多い。という、日本でも名が知られてきた「スレンダーマン」にまつわる都市伝説。
このスレンダーマンという名称が広く世に知られるようになったのはネットが普及して以降のこと。他の都市伝説と比べても、比較的最近になって生まれた部類に当たる。
ただし、それ以前からアメリカを中心に似たような都市伝説は存在していた。
そのため各地の都市伝説が「スレンダーマン」という名前で統一されてからも、「背中に触手がある」「身長は2メートル程度しかない」など…いわゆるテンプレートとは異なる意見も多い。
もちろん人間だって身長の高い低いなどあるし、これらも単に個体ごとの特徴であると考えられなくもない。
いや、広いアメリカでたった1匹のスレンダーマンしかいないと考えるのは逆に不自然なので、むしろ「個体によって特徴が異なる説」の方が信ぴょう性が高いか。
とにかくスレンダーマンは2000年代以降の都市伝説シーンに登場した怪物と言える。彼らは非常に粘着質な性格で、気に入った人間をしつこいくらい追いかけ回す。
そして最終的にはどこかへ連れ去ってしまう。しかもその方法が「瞬間移動して追いかける」とのことで、手の打ちようがない。
極端な話、アメリカの東海岸ニューヨークから西海岸サンフランシスコまで逃げようとも一瞬でテレポートして来るのだから…
さらに都市伝説では「子ども好き」という設定もあるようで、色々な意味で危険なヤツである。
またその正体についても何かしらの謎を秘めていて(十分謎めいているが)、スレンダーマンを近くで見ると発狂してしまうらしい。
そうでなくても目撃しただけで記憶喪失や吐血など、様々な症状を巻き起こすと言われている。
都市伝説ではこれらの現象を「スレンダー症」と呼んでいることから、アメリカではかなり恐れられた存在だと分かる。
なお日本の都市伝説マニアいわく、その共通点から「アメリカ版・くねくね」とも呼ばれている。
題材にしやすいキャッチーな設定からアメリカのゲーム(主にホラー系)では、たびたびスレンダーマンをモチーフにしたと思われるキャラが登場する。
工作系ゲームのパイオニア「マインクラフト」の厄介な敵キャラ「エンダーマン」もその1人のようだ。
日本ではまだあまり聞かないが、現代アメリカの都市伝説では必ず話題に上るほどの知名度なので「スレンダーマン」の名前は覚えておいて損はないだろう。
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アメリカ最大の都市ニューヨーク!その下水道に生息する巨大ワニの都市伝説
ニューヨークのマンハッタンでは、下水道に巨大なワニが住んでいる…!
というアメリカ人(特にニューヨーカー)なら知らない人はいないと言われるほど有名なこの都市伝説。
これ、実はトーマス・ピンチョンが書いた「V」という小説が元ネタ。作中で主人公がフロリダ土産に買ってきたワニを誤ってトイレに流してしまう。
流されたワニは下水道を住みかにし、元々暮らしていたネズミなどを捕食した末、やがて規格外のサイズにまで成長したという話だ。
とあるメディアがこの物語をあたかも実話のように放送したところ、一気に都市伝説として広まったというわけだ。
本人たちはアメリカンジョークのつもりだったのだろうが、結果としてシャレではすまないスケールにまで都市伝説化してしまった。
なお小説「V」は初版が1963年に出版されているので、アメリカ内でもかなり古い部類の都市伝説とされる。
ただし過去にはニューヨークの下水道で実際に数匹のワニが見つかったケースも報告されており、「本当にただの都市伝説か?」と言うと真相は闇の中である。
というより、そもそも「ニューヨークの下水道」自体がアメリカで一種の都市伝説になっているとすら思える。例えばアメリカンコミックスの「ミュータントタートルズ」が良い例だ。
彼らはワニではなく亀だが、やはりニューヨークの下水道で突然変異を起こした生物として描かれている。そもそも彼らの師匠も「下水道に住んでいたネズミの突然変異」である。
更にアメリカンヒーローで有名なバットマンの映画「バットマン・リターンズ」でも下水に流されたペンギンが敵キャラとして登場するなど…やはり重要なのは「ワニ」よりも「下水道」の方になる。
また逆輸入的な話だが、日本のゲーム「バイオハザード2」ではこの都市伝説をモロパクリした「下水道の巨大ワニ」というボスが出現する。
日本だとそれほど大きな下水道はあまり見られないが、やはりアメリカはサイズもスケールも規格外だ。それゆえにダークファンタジーな夢の舞台として最適なのかもしれない。
実は都市伝説だった!?アメリカ訴訟騒動「猫チン」の真相が明らかに
とある一般家庭のおばさんが風呂あがりの猫を乾かそうと電子レンジに入れた。ドライヤー代わりという軽い気持ちだったが、猫は高周波に耐えられず亡くなってしまう。
ところが女性は「説明書に猫を入れちゃダメという説明がなかった!」というトンデモ理論で電子レンジの販売企業に裁判を起こし、しかも何だかんだで勝訴…
やることが大胆で大雑把なアメリカ人の逸話というネタで有名になり、日本では「猫をチンした事件」ということで「猫チン」とも呼ばれるエピソード。
だが、実はこの「猫チン」がアメリカ発祥のデマだった…つまりただの都市伝説だったのでは?という噂が話題になっている。
結論から言うとこの都市伝説、やはり噂通りのデマに過ぎなかった。
そもそもこの話は、企業側が取扱説明書を作成する際の見本としてその手の教科書に掲載されたエピソードの1つ。
いわゆる「訴訟大国」のアメリカにおいて「こういうケースも考えておくべき」という、企業側に対して注意を促すためのサンプルだ。つまり例え話であって、実話ではない。
ところがこのエピソードをさも実話であるかのように、面白おかしく広めた人物がいる。
その結果、「アメリカ人ならやりかねない」という妙なリアリティから世界各国で知られる都市伝説にまで発展したのだ。
なので「猫チン」都市伝説は話し手によって細部が異なる場合がある。例えば「猫ではなく犬だった」「お風呂あがりではなく雨に濡れたせい」「おばさんではなく若い女性」…などが典型例だ。
もし本当に起きた事柄なら細かい部分まで含めて統一されているはず。いかにもアメリカらしい作り話と言える。
さらに、似たような都市伝説では「コーヒー訴訟」があげられる。こちらはアメリカのとあるファストフード店で、コーヒーをこぼした女性がやけどをしてしまう。
しかし「やけどしたのはコーヒーが熱かったせい」(自分がコーヒーを落としたことはスルー)として店に対し、裁判を起こしたという逸話。
日本なら「アホか…」で終わりそうな話だが、なんと女性側が勝訴したという。
これもアメリカを代表する都市伝説だが、なんと「猫チン」と違ってこちらは実際に起きた出来ごとなのだ。
やはりアメリカ…こうした事実があるので「猫チン」も簡単に信じられてしまったのだろう。
アメリカの定番都市伝説「ベッドの下に潜む男」
また、こんな都市伝説をご存知だろうか?1人暮らしをしている女性のもとに友人が遊びに来たが、夜も遅いのでその日は泊まることにした。
ベッドが1つしかなかったので友人は床に毛布を敷いて寝ることに。ところが、夜中に友人が「外に行きたい」と言い出したので仕方なく一緒に家を出たところで、友人が一言。
「ベッドの下に見知らぬ斧を持った男がいた」
例えば日本だと、毛布ではなく「布団を敷いた」となっていて聞きなじみのある都市伝説だと思うが、実はこれもアメリカが発祥。
日本では「ベッド文化」が根付いた90年代ごろより浸透し始めた都市伝説のようで、もしかすると日本独自の話と思い込んでいる人も多いかもしれない。
ただ発祥地のアメリカでは、1912年に「ベッドの下の男」というタイトルで都市伝説そのままの映画が公開されているので、かなり古くから伝わる物語だと伺える。
どうやらこの都市伝説、すでに世界中で多くのバリエーションがあるようだ。
アメリカ国内で見ても、その派生パターンとして「飼い犬の代わりにベッドの下の男が飼い主の指を舐め続けていた」という、よりサイケデリックな方向に変化した内容もある。
あるいはベッドの下の男に気づかずに就寝し、朝起きたら「よく寝ていたね」などの書き置きが残されていたという気持ち悪い方向にぶっ飛んだケースまで存在する。
しかし実のところ、同じような都市伝説は古くから世界中にある。
ここ日本でも、鎌倉時代に作られた「古今著聞集」という本に「空き家に泊まろうとした旅人が家の中に潜む鬼に気づき、なんとなく外を見に行くフリをしてやり過ごした」というエピソードがハッキリと記されている。
シチュエーションこそ全く違うが、要点だけ見れば「ベッドの下の男」とほぼ同じである。「ベッドの下」は「人間の生活空間にあるちょっとした闇」と考えることもできる。
こうした場所に恐怖を覚えるのは日本人も、アメリカ人も同じ。だからこそ世界中で類似の都市伝説が生まれたのだ。
ちなみにアメリカでは、都市伝説のことを「クリーピー・パスタ(Creepy pasta)」と呼ぶことがある。
これは「コピーアンドペースト(Copy & paste)」をモジったネットスラングで、好意的に解釈すると「テンプレート的な物語」と訳すことができる。つまり日本で言う「コピペ」。
本来なら恐ろしいはずの都市伝説を食べ物で表現するあたり、なんともアメリカ人らしい発想である。