主人公はゴキブリ!?「借りぐらしのアリエッティ」の怖い都市伝説
小人たちの目線で斬新に描かれた「借りぐらしのアリエッティ」。
フランス出身のミュージシャン「セシル・コルベル」による主題歌も話題である。
主人公もキュートで男女ともに人気のある作品であるが、都市伝説では意外な内容が語られている。
今回はそんな都市伝説を詳しく紹介するとともに、この映画を作ったきっかけや裏話もまとめてみた。
ここがポイント!
アリエッティと翔…「その後」の行方が都市伝説に
「借りぐらしのアリエッティ」には、その後を予測する都市伝説が多くあがっている。まず本作のストーリーを簡単にまとめてみよう。
主人公アリエッティは「ヒトに見られてはいけない」というルールの元、屋敷の床下で家族と暮らしていた。しかし、療養のためにやってきた翔と出会ったことをきっかけに環境が大きく変わっていく。
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最後にアリエッティたちは翔の家を出て彼と別れることになり、互いのハッキリとした未来は分からないままに終わる。都市伝説では両者ともに、その後は亡くなってしまうと語られている。
翔は心臓が生まれつき弱く、手術を直前に控えていた。自分の命については「死ぬのは僕の方だ」と…だいぶ悲観的である。
この言葉から、都市伝説でも実際の手術に失敗して彼は亡くなったと言われているのだ。また、アリエッティに関しては別の小人たちの元で新たな生活を送ることになる。
こちらの都市伝説もその後は悲観的に捉えられ、結局人間に見つかり捕えられるか、猫や犬に食べられてしまったと見られている。
バットエンドは想像したくないが、現実に彼らが生き延びるのは難しいのだろうか。
都市伝説では主人公のモデルは「ゴキブリ」らしい…
好奇心が強くハツラツとしたアリエッティは、ジブリの中でも特に人気のキャラクターである。そんなアリエッティのモデルだが…都市伝説では驚くことに「ゴキブリ」だとされている。
小人は全長10センチ程度で、屋根裏や床下で人目を避けながら借り暮らしをしている。食べ物も、基本的にその家の食料を貰いながら生き延びている。
そんな設定がまるでゴキブリを連想するのだろう。外敵のネズミを威嚇するシーンもあるが、その点も一致してしまう…
しかしこの都市伝説は裏付けされるものはなく、単に似ていると言うだけで広まった。ちなみに米林監督は大の虫嫌いで有名。
なので、映画内に登場する虫はみな可愛らしくデフォルメされている。その点を考慮すると「虫をモデルにしている」とは考えにくいが…
イメージがガタ崩れの為、この都市伝説について深く考えるのはタブーかもしれない。
借りぐらしのアリエッティの企画は「40年前」に行われていた!?
「借りぐらしのアリエッティ」は2010年公開の映画。
原作はファンタジー小説の「床下の小人たち」だが、実は40年前から宮崎氏と高畑氏が企画していたという都市伝説がある。
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今回、新たに企画があがった理由として「文化が発展した今でこそ、小人の慎ましやかな生活を描くことが面白いのでは」という案が出たからだ。
そこで宮崎氏は、40年前に読んだ原作の記憶だけを頼りに脚本を書いた。
彼は若かりし頃の企画を実現するに適した時代まで、自身の脳にタイムカプセルのような形で大切にしまっていたのだろう。
「借りぐらしのアリエッティ」の制作秘話の数々
登場人物にはそれぞれ細かな設定が設けられている。ご存知の通り、ジブリキャラクターは「顔が似ている」ので髪型で特徴づけをしてきた。
ところでアリエッティの髪型は当初、三つ編みやショート、ポニーテールが検討されていた。洗濯ばさみをリボンのように使って結ぶ今のスタイルになったのは、まさに小人を印象づけたかったからだろう。
また病弱な少年の翔だが、彼は声優を務める神木隆之介をモデルにしていた。実は、当初から彼をモデルに翔は描かれることが決まっており、作画スタッフは彼のポスターを貼るなどして表情や仕草を研究したらしい。
彼はハウルでも声優を務めており、ジブリではお馴染みの俳優なのだ。ちなみに映画では「耳をすませば」のムーンに似た猫が出てくるが、これは監督が作品の大ファンだからとのこと。
またアリエッティが住んでいるのは、豊かな自然の中に建てられた和洋折衷とも言える素敵な屋敷。この舞台となったのが青森県平川市の盛美園である。
採用された経緯と言えば、スタジオジブリが2008年に社員旅行で訪れたこと。舞台は設定上、東京都小金井市周辺となっている。
実はこのジブリの社員旅行。これが作品の舞台となるきっかけ作りや、作画の参考にも一役買っていたのだ。息抜きのイベントと言えどもスタッフの意識の高さが伺える。
また、主題歌はフランス出身のセシル・コルベルの作詞作曲による「Arrietty’s Song」。ジブリ初の海外アーティストによる主題歌ということで話題になった。
彼女はフランス出身ではあるものの、流暢に日本語の歌詞を歌い上げている。彼女は兼ねてからジブリ作品の大ファンで、手紙と曲を送って自らPRしたそうだ。
美しいハープと透明感のある歌声は、儚い思い出を描くアリエッティにぴったりである。以上が「借りぐらしのアリエッティ」のまとめになる。
ひっそりと人間の家で暮らす小人と病弱な少年は、他人の助けを借りて共存せざるを得ない点が共通している。悲観的な都市伝説にもそんな儚い想いが詰まっているのかもしれない。