ハリーポッターと呪いの子、黒人ハーマイオニーの由来【作者コメあり】
皆さんはハリーポッターの「その後」を描いた作品を知っているだろうか。
コアなファンならとっくにご存じかもしれないが、それは「ハリーポッターと呪いの子」だ。
これまでハリーポッターは小説を原作とした映画シリーズという立ち位置だったが、この「ハリーポッターと呪いの子」は舞台作品になる。
しかしそのキャスティングが「人種問題」に発展するほど物議を醸しているのだ。
キーワードは「ハーマイオニーと黒人」。
この記事を書くにあたって私自身、人種差別をするつもりは毛頭ない。
むしろ黒人のあの身体能力やアフリカ系俳優の渋さには惚れ惚れしている…という点はあらかじめ伝えておきたい。
Sponsored Link
ここがポイント!
「ハリーポッターシリーズ」を完全無料で見る方法
知らないと損…U-NEXTって実はこんなにおトクだった↓↓
- 31日間無料で体験できる(登録はたったの3分!)
- 今日から無料で映画見放題・マンガも読み放題!
- いつでも解約OK!
※期間中の解約であれば料金は一切かかりません。
この無料期間を使ってコロナ自粛を乗り切ろう!
事の発端はキャスティング?「ハリーポッターと呪いの子」が話題に…
先ずは「ハリーポッターと呪いの子」について説明しなければならない。
これはハリーポッターのシリーズ七作品が完結した「その後の物語」を描いた作品になっていて、その脚本が書籍としても販売されているのだ。
メインの舞台はその後のホグワーツで、ハリーポッターの子供「アルバスポッター」を中心に、各主要メンバーの二世たちを中心に描かれている。
そんな訳でロンとハーマイオニーはもちろんのこと、二人の愛娘「ローズ」も舞台に名を連ねている。
本来であれば昔懐かしのメンバー達を観てしみじみと成長を噛み締めたいところだが…
皮肉にもこのハーマイオニーのキャスティングに異議を唱える声が。
まさか本作で黒人の差別問題に関わる議論が行われようとは、ファンは心にも思っていなかったことだろう。
そのハーマイオニー役を務めたのがアフリカ系女優の「ノーマ・ドゥメズウェニ」。そしてその娘、ローズも黒人の子役が演じている。
私も含めてだが、ファンの中では「ハーマイオニー=エマ・ワトソン」と言う図が定着しているだけに違和感を覚えるのも無理ないだろう。
ただ、この舞台「ハリーポッターと呪いの子」は映画版の設定を引き継いだものである…といった客観的事実はない。
何故なら原作小説においても登場人物の「人種」にまでは言及されていないからだ。
つまり、このキャスティング自体に何の矛盾もないことは伝えておきたい。
彼女が作中でマグル差別を受けながらも優秀な魔女となり、時には魔法生物の差別問題にまで尽力するハーマイオニーを演じること自体、何の問題もないのだ。
しかし後々、このキャスティングが議論を生んでしまう格好となるのだ。
ハーマイオニー=「黒人」は違和感?
ハーマイオニーのキャストが「黒人」であることに異を唱える者には二つのパターンがいると考えられる。
まず一つは、先ほども述べた通り「ハーマイオニー=エマ・ワトソン」のイメージを揺るぎなく持つタイプだ。
この立場は私にも理解できる。
幼かったエマがハリー役のダニエルやロン役のルパートとともに成長していく姿は、やはりシリーズものならではの醍醐味に他ならない。
その後「美女と野獣」などでスター女優の仲間入りを果たしたエマ。
それでも筆者はインターネットやTVでエマを見かけると、未だに彼女を「ハーマイオニー」と重ねて観てしまう。
彼女の出世作は紛れもなくハリーポッターシリーズであり、それ故に今なお強烈なイメージがついている。
こういった想いに共感を覚えるファンもきっと少なくないはず。
そんな視聴者(ハリポタ信者)たちにとって、「ハリーポッターと呪いの子」の配役は従来通り「エマが順当に歳を重ねたような」女優であってほしい…という想いは至極当然のこと。
納得いかない理由。それは決して「黒人であるから」と言った人種が批判の矛先ではなく「エマとあまりにタイプが違うから」と言う範疇に収まる話しであり、決して差別には成り得ないと個人的には思う。
一方、未だに黒人に対する差別意識を持っている輩も少なからず存在するだろう。
人種差別に限らず、そういう偏った思想を持つタイプは少し刺激すると大きな声で騒ぎ出すことが多い。
今回もいわゆるエマ派に乗じて、黒人のハーマイオニーを批判する声を上げたのかもしれない。
そんな時こそ、これまで夢見心地にさせてくれたハリーポッターのキャストたちに配慮した姿勢が望ましいのではと感じる。
Sponsored Link
ネットでは、黒人キャストを擁護する声が大半
長い歴史上、肌の色だけでイザコザを抱えて来た黒人だけにこういった一件への反応は想像に難くない。
先ほども述べた通り、ハーマイオニーの配役への批判は「エマらしくないハーマイオニー」、そして「黒人のハーマイオニー」に対しての二通りがある。
しかし真意に関わらず、こうした話題で声が目立つのは皮肉にも後者であることが常。
溢れかえる数々の意見を一つ一つ深堀りし、的確に黒人のハーマイオニーへの批判だけを攻撃するなど出来やしない。
こういった流れを第三者である黄色人種の我々から見ると、黒人擁護派たちの反応は時に過剰に感じられるかもしれない。
筆者は日本でしか暮らしたことがないため、こういった声を上げる心境を十二分に理解できるわけではない。
しかし、ハリーポッターに限らず欧米や欧州の作品には少なからず「差別」をテーマに挙げたものが少なくない。
ハリー自身も肌にまつわる差別こそないが、それこそ一部の魔法族からの「マグル差別」は作中において見逃せないテーマになっている。
黒人ハーマイオニーに対する原作者の想い
冒頭でも述べたが、私は黒人女優の「ドゥメズウェニ」によるハーマイオニーもアリだと思っている。
また原作者であるJKローリングは、黒人の起用を差別するような発言を断罪して次のようなコメントを残している。
「彼女は選ばれるのに相応しい女優だった」
「白い肌なんて設定はどこにもない。目が茶色く、賢くてくせ毛というのがあっただけ。私は黒人のハーマイオニーを愛している」
いちファンとしては「ハリーポッター」を火種にこのような議論が巻き起こること自体悲しいし、人種など気にせず純粋に楽しめば良いのにと思ってしまう。
一方で、この意見は筆者が黒人でないからこそ持てるフラットなものであることも事実。
重ねて言及してきた通り、私は黒人のハーマイオニーに対しては賛成派だが、スタッフはキャスティングの際にこうなることが予測できなかったのだろうか。
人種云々を超えてやはりエマのイメージが強い「ハーマイオニー」のキャスティングにおいて、何故わざわざかけ離れた女優に白羽の矢を立てたのか?
実際、ハリー・ロン役もダニエル・ルパートとそれぞれ雰囲気の近い俳優が抜擢されていたにも関わらず。
ハーマイオニー役もそのように選んでいればこんな議論は起きなかったのでは…と感じざるを得ない。
ちなみに2019年、日本でも同様のケースがあった。
それは我らの国を代表する企業の一角、「日清」による迷走劇だ。
日本とハイチの混血で、今や世界にも名を轟かせている女子プロテニスの大坂なおみ選手。
この件は一見すると逆で、日清がイメージキャラに起用した彼女の肌が何故か白く描かれていたことで海を越えて差別疑惑に発展してしまったのだ。
同じ日本人の筆者からすれば、企業側には決して「特定の意図」はなかったと推測しているが…何故あえて本来の肌色から変えたのか。
本件の製作者はハリーポッターの件と同じく、後々視聴者たちから聞こえ得る声を予想できなかったのだろうか。
…話を元に戻そう。
もちろん黒人差別については、風化させてはならない人類の過ちである。
しかし、よりによって一般大衆に夢を与える存在の「ハリーポッター」での再燃は望みたくないのが筆者の本音だ。
ここまで読んでくれた方は何かしら思うことがあるはずだ。
1つ言えるのは、私たちはファンとして、差別と闘うハーマイオニーも、エマのハーマイオニーも、そしてドゥのハーマイオニーもまとめて愛する他ない。
それが「真のファン」だろうということだ。