崖の上のポニョは死後の世界を描いていた【5つの理由】

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水彩絵の具での手描きにこだわって制作された「崖の上のポニョ」。

温もりあるタッチと豊かな色彩から、小さい子どもにも親しみやすい作品である。

そんな崖の上のポニョであるが、ストーリーには不可解な部分も多い。

実はポニョが「死後の世界」を描いていたと都市伝説になっているのだ。

今回はその主な理由といくつかの謎を紹介しよう。

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ポニョの舞台は「死後の世界」だった

崖の上のポニョを観た人の多くは「ポニョとそうすけの純粋な愛と友情」を描いたストーリーだと思うだろう。しかしポニョの話には、さらに深いメッセージが隠れていると言うのだ。

そう、タイトルの通りポニョは「死後の世界」を描いていたとのこと。この作品のキャッチコピーは「生まれてきてよかった

命の危機や死の間際に使うことの多い言葉でもある。元々が非現実的なストーリーだが、映画内容には意味深な部分も多い。

例えばポニョが人間になろうと魔法の力を解放した時に、街を水没させるほどの大きな津波が起こる。

この時、船長であるそうすけの父親は船と共に荒波に飲まれ、船の墓場にたどり着き「あの世の扉が開いた」と不可解な発言をするのだ。

また、宮崎監督は「海と陸はこの世とあの世とか、生と死とかいろんな言い方もできるが、五歳の子どもが分かってくれればいい」と生死のテーマが隠れていることを示唆したコメントをしている。

さらにジブリ音楽の多くを手掛け、ポニョのテーマソング作りにも携わった久石譲氏。

「ポニョの音楽を作る時には死後の世界や輪廻などの哲学的なものを取り入れながら、子供に理解できる音楽を作るという点で一番悩んだ」と、こちらも気になる発言をしていた。

音楽を制作する際に死後の世界の裏設定について、監督と話し合いがあったように見られる。そして津波が収まった後、そうすけの町は全て水没。

この状況になれば住民はほとんど亡くなったと考えるのが自然である。

 

トンネルの先は死後の世界?ポニョが魚になった理由

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トンネルをくぐるシーンではポニョの魔法が解けて魚に戻ってしまう。

都市伝説ではトンネルが「あの世への入り口」だといわれている。

良く見ると、トンネルの入り口前には地蔵がある。

地蔵は親より先に亡くなった子供の魂を救済する存在であり、トンネルは死んだそうすけの魂を救うために生と死を輪廻するための道であったのだ。

ポニョが魚に退化したのは、死後の世界へと繫がっていることを暗喩している。

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ポニョが持つ「特別な力」とは?

ポニョの本名は「ブリュンヒルデ」。

この名は、北欧の神話では死者の魂を導く存在として語られている。

またポニョはそうすけの傷口を舐めて治したように、不思議な力を持っている。

これが生と死のどちらにも導ける力の表れだと言う。

 

赤ちゃんを成仏させるポニョ

都市伝説では津波後が死後の世界と考えられているために、ポニョ達が出会う大船に乗った住民たちは「あの世」に向かっているとされる。

ポニョ達はその大船群とは別に、古びたボートに乗った赤ちゃん連れの家族と出会う。都市伝説では彼らは成仏できずに現世に漂う死者の魂といわれている。

服装や持ち物から推測するに、大正時代に生きていた家族。赤ちゃんが不成仏なために心配で両親も現世に留まっているのだ。

ポニョはそれに気付き赤ちゃんのことを執拗に気にかける。別れ際に赤ちゃんに顔をくっつけたのは、あの世へ行く力を与えるためである。

ポニョの力によって、ようやく成仏できたのだろう。

 

くらげドームも死後の世界だった…

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ラストの方では、老人ホームのおばあさんやそうすけの母親(リサ)がくらげドームにいる場面が描かれている。このドームはトンネルの先にあるので、前述したように死後の世界であり「天国」である。

その証拠に、車いすに乗っていたおばあさんたちはドーム内を軽快に走っている。これは天国に来たことで身体から魂が解放されたからだ。

また、リサはポニョの母親グランマンマーレと会話を交わす。その二人を見て周りは「リサさんも辛いでしょうね」と意味深な発言をする。

これは彼女が既に死んでいるので、そうすけがポニョと生きる道を選ぶとしても見守ることしか出来ないことの辛さを表している。

ポニョとそうすけはいわば、アダムイブのような存在である。汚れた文明を一からやり直す。「人類のリセット」を宮崎監督なりに描いた作品とも考えられるのだ。

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